蛇ノ目の記

技術のことも。そうでないことも。

劇場版 響け!ユーフォニアムを観てきた

技術のことも。そうでないことも。

と謳っているのでアニメの話をしても実際問題ない。この記事の更新が会社のSlackの#tech-blogsに流れてしまう方が気まずい。

「劇場版 響け!ユーフォニアム 届けたいメロディ」を観てきた。 9月30日から公開されており、今週が公開2週目。 TVシリーズは1期、2期ともに視聴済み。劇場版前作(1期の総集編)も観ている。それぞれ圧倒的な映像と音楽のクオリティで、呼吸をしていたか曖昧になるくらい見入っていた。

本編開始前にフォトセッションなる短編があり、ここでは写真撮影可のカットが流れる。カットは毎週変わるあたり商売上手だ。今週は中川 夏紀たち2年生4人だった。

劇場版だが実際のところは総集編。とは言い条、TVシリーズ13話を2時間の尺に無理に詰め込むのではなく、シナリオの筋を久美子とあすか先輩の関係に絞るという大胆なアレンジを行っている。そのためにTVシリーズで描かれた2年生同士の確執や滝先生の過去話はカットされているし、合宿の時間軸もずらされている。

TVシリーズ序盤で話題になった久美子と麗奈の引力は残念ながらフォーカスされない。しかし百合成分は損なわれていないので、ごあんしんだ。むしろ今作は久美子とあすか先輩の関係が引力以上に熱い。

メインを久美子とあすか先輩に絞ったことでユーフォニアムに触れるきっかけになった人に演奏を聴かせたいという二人の共通した全国大会へのモチベーションが際立ったように思う。今作は久美子とあすか先輩、二人の物語へと姿を変えている。

響け!といえば映像と音楽のクオリティというくらい質が高い。音楽に関してはあまり語れないので、映像の話をしたい。会社での自己紹介で山田尚子作品が好きというくらいに好きなので、彼女がシリーズ演出を手掛ける本シリーズでも、山田尚子っぽいところを観ては喜んでいた。

過去の山田尚子監督作品(けいおん劇場版やたまこまーけっとたまこラブストーリー)に共通する、浅い被写界深度と柔らかい光は本作でも健在だ。被写界深度といえば、奥行きのある画で手前の人物が喋りだした途端にそちらにすぅっとフォーカスが移る演出が特に気に入っている。

とにかく彼女の作る画は、青春という雰囲気がする。

もう一つ、山田尚子といえば脚の演技が特徴的(けいおん劇場版終盤など)で、これに関しては物語る亀で詳細に言及されている。ほとんどの登場人物が白ソックスであるのに対して、何を思っているのか見透かせないあすか先輩だけが黒のタイツというのを上手く使って、あすか先輩が久美子と本音で話すシーンでだけ素足というのはとても納得がいく。2回目を観るときは脚の演技にも注目したい。

響け!の登場人物では田中あすかが一番好きなので、出番の多い今作は彼女のファンとしても満足だった。という締め。2回目を観た後にでも、また何か書きたい。