蛇ノ目の記

技術のことも。そうでないことも。

写真クラスタから見たCyberpunk 2077 - ナイトシティ写真散歩

Cyberpunk 2077のフォトモードがあまりに面白く、気づけば300枚以上の写真を撮っていた。いい感じに撮れたものをInstagram以外の場でも見せたいという下心全開のエントリである。今年に入ってから全然写真を撮っていないのに写真クラスタを名乗るのはどうかと思っているが。

Cyberpunk 2077とは

主人公である傭兵Vがいろいろあってキアヌ・リーブスと文字通り切っても切れない関係になってしまったうえ余命宣告をされ、大都市ナイトシティを舞台にキアヌとの関係を元通りにするために暗黒メガコーポの陰謀に迫る、というストーリーが展開されるRPG。キアヌ氏(ゲーム内ではジョニー・シルヴァーハンドという伝説的人物)は序盤こそはちゃめちゃに嫌な奴だが、物語を進めていくにつれて人となりがわかってきて、愛着が湧いてくる。親密度によっては隠しエンディングがあるらしいが、まだ見れていない。

主人公の性別・容姿はゲーム開始時にカスタマイズ可能で、うちのVは内面・身体的特徴ともに女性。

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なおゲームを開始すると容姿の変更は不可なのだが、サイバーパンク作品なんだからいろいろと変えられてもいいのに、とは思う。

フォトモード

ゲームを一時停止させて、主人公や周囲の景色を撮影できるモード。主人公のポーズを変更して、アクションシーンめいた画にしたり自撮り風にしたりと遊びの幅が広い他、露出やコントラスト、フィルムグレインを調整したり、フィルタを掛けることができ、写真としての自由度がかなり高い。

主人公を映さないためには一人称視点でのカメラという選択肢が用意されているが、画角の設定などが不可になってしまう。だが、三人称視点での撮影では主人公の表示をオフにできるので、これを利用すればポートレートや風景をより撮りやすくなる。

COVID-19のせいで外に出て写真を撮ったり、海外で普段は見られない街並みを撮るなどできなくなってしまった今、人類の誰も訪れたことのない大都市をカメラ片手に歩いているような感覚になれてとても楽しい。

ナイトシティ

アメリカ西海岸に位置する架空の大都市。超高層ビルが立ち並ぶビジネスエリアから怪しげなネオンの光る歓楽街、街の郊外と荒野の境目に広がる住宅街、バラックのひしめくスラムまでが凝縮されていて、エリアによって全く異なる表情を見せてくれる。様々な国籍の住民が暮らすことから、街中で流れる広告のアナウンスは英語はもちろん、日本語、韓国語、中国語まで様々な言語のバージョンがある(もしかしたら日本語音声で遊んでいると英語のアナウンスの一部は和訳されているのかもしれない)。

最大の特徴はやはり、サイバーパンクというジャンルの定番となったアヤシイ日本語のネオンや広告。

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サイバーパンク作品を象徴する景色といえば夜の闇に輝くネオンと雨に濡れたアスファルト。どういうわけかナイトシティでは雨が降っていなくても夜になるとアスファルトが湿っている。乾燥しがちな西海岸の気候を考慮した何か、ということにしておこう。

映画では意図された時間帯の街しか映らないが、これは昼夜のサイクルのあるゲームである。太陽の出ている間のナイトシティも光と陰のバランスが見せる美しさがある。

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日系の暗黒メガコーポが幅を利かせていたり、日本街があるなど、サイバーパンク作品のお約束であるニッポン要素がそこかしこに見られる。

これは完全に自分の趣味だが、ビルの間を雑然と張り巡らされた電線や蒸気の立ち昇る空調設備がとにかくかっこいい。

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ナイトシティの人々

ナイトシティには人種も文化も貧富も異なる人間がこれでもかというくらい押し込まれている。それに加えて、多くの人々が義体化している。人種×文化×貧富×義体から生まれる住民のバリエーションはとても豊富で、街角でのポートレート撮影がとても楽しい。とはいえ、自分が撮っているのはその極一部だし、主に治安がアレなエリアで写真家活動しているのでちょっと偏りがある。

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現実では遠慮して撮れない街角でのスナップやポートレートが堂々と撮れるのが本当に良い。

物語に関わってくる人々

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主人公にしか見えないキアヌ氏。時々現れては小言を言ったりツンデレな助言をしてくる。

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相棒のジャッキー・ウェルズ。オカンに電話してたり、彼女とのデートに間に合わないから通してくれと交通封鎖している警官にお願いしたりするお茶目な奴。

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ジュディ・アルヴァレス。他人の記憶・感覚を再生することのできる技術ブレインダンスのエディター。人気キャラの一人。ちなみに下の写真の後、主人公となんかあった。

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パナム・パーマー。都市を渡り歩いているノーマッドと呼ばれる集団の一人で、ジュディと並ぶ人気キャラ。主人公と知り合うのは中盤だが、バーでやけ酒している姿を最序盤に見ることができる。

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とあるジョブ(クエスト)で出会う、タイガークロウズというギャングの一人。スキンヘッドに刺青の入ったジャパニーズヤクザ。なぜか自分が上げている中では比較的多めのふぁぼをもらっている。謎。

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MGSシリーズの小島秀夫監督。オオシマ・ヒデヨシを名乗って高級ホテルのバーでドヤ顔している。CVも小島秀夫監督。

ナイトシティ写真部活動をしてわかったこと

いろいろと写真を撮っているが、枚数を重ねると徐々に自分の癖が見えてくる。具体的に言えば、「露出高め・コントラスト弱め・フィルムグレイン多め」いわば「明るめ・淡め・粗め」。家系ラーメンの注文か。ポートレートでいえば左向きが多い。癖は弱みかもしれないし強みかもしれない。ある程度わかっていればたまには癖から外れて、例えばコントラスト高めで撮ってみようとかもできるのでそれはそれで良し。

Cyberpunk 2077の色々な問題について

各所でバグやらコンソール版の最適化不足とその意図的な隠蔽が取り沙汰されているが、ゲームとしての面白さ・自由に歩けるサイバーパンク世界としての魅力は分けて考える必要があると思う。コンソール版については返金対応をしているし、年末年始にかけてPC版も含めてホットフィックスを当てていくことが明言されていて、実際に執筆時点で1.06までリリースされている。特に返金対応については結構真摯な対応だと個人的には評価している。

【追記】

ゲームをご購入いただいた皆様へ重要なお知らせ - サイバーパンク2077 ― ウィッチャーシリーズの開発会社による最新RPG

ホットフィックス1.06 - サイバーパンク2077 ― ウィッチャーシリーズの開発会社による最新RPG

【追記ここまで】

コンソール版の最適化不足とその隠蔽については経営側と現場とで齟齬があり、品質より納期が優先されてしまったのでは、という話もある。この作品は8年以上前からPC版をベースに開発されていて、動作推奨環境のPCのスペックよりも低いスペックのコンソールへの最適化は想定以上の工数がかかる。そういった事情とかが絡んで、十分な品質に至らぬままのリリースになってしまったのだろうか。レイトレーシングやDLSSといった最新技術に追従しやすいPC版をベースに、スペックが固定されてしまっているコンソール版への対応はとても難しそうだ。

一つ言えるのはやはり開発会社の不具合、初期のバグ、ゲームとしての面白さはそれぞれ別軸で考えるべき、ということ。問題があるのは確かだが、一つのサイバーパンク作品として、没入感の高いRPGとしては高く評価される作品だと考えている。質の悪いまとめブログの記事やお気持ち作文めいたレビューはナンセンス。後者に関しては言うまでもなくWIREDの例のレビュー。事実と異なる情報の精査はしてほしい。

サイバーパンク2077は、その原作が理由で合わないのかもしれない。テーブルトークRPGサイバーパンク2077」のベースとなっている画期的な小説『ニューロマンサー』は、熱狂的で複雑な内容だと誰もが言う。しかし、1週間半が過ぎてもまだ購入していない。

編集者はこの勘違いをチェックしなかったんだろうか。原作は『サイバーパンク2.0.2.0』だし、『ニューロマンサー』はサイバーパンクというジャンルの代表的な作品だが、TRPGの『サイバーパンク』とは直接関係ない。……ナイトシティ写真部活動の話だけ書こうと思ったらお気落ち表明まで書いてしまった。反省している。 サイバーパンク2077はウィッチャー3じゃないし、Vはゲラルトじゃない。ずっとウィッチャー3やっててくれ

ナイトシティ写真部活動はいいぞ

人類の誰も足を踏み入れたことのないサイバーパンク世界を、広大なナイトシティとして現出させたCyberpunk 2077。様々な地区があり、時間帯によってそれぞれが異なる表情を見せる巨大都市を、架空のカメラを持って歩く体験は唯一無二といえる。サイバーパンク好きで写真が好きならぜひともナイトシティを散策してほしい。ナイトシティ写真部活動はいいぞ!!